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ワクチン情報
RSウイルスワクチン
- 2024-07-15
RSウイルスワクチンについて
国内で接種できるRSウイルス感染症を予防するワクチンには2種類あります。アレックスビーは、60歳以上の成人が対象であり、RSウイルス感染症の重症化予防を目的としています。アブリスボ®は、60歳以上の成人への重症化予防のほか、妊婦に接種を行うことで、新生児および乳児におけるRSウイルスを原因とする下気道疾患の予防を目的としています。
ワクチンの効果
60歳以上の成人に対するワクチンの効果については、アレックスビーを使用した国際共同第Ⅲ相臨床試験では、ワクチン接種後6〜7ヶ月の追跡期間で、RSウイルス関連下気道疾患を82.6%予防しました1)。アブリスボ®を使用した国際共同第Ⅲ相臨床試験では、ワクチン接種後平均7ヶ月の追跡期間で、少なくとも2つの症状を伴うRSウイルス関連下気道疾患を66.7%、3つ以上の症状を伴うRSウイルス関連下気道疾患を85.7%予防しました2)。ただし、いずれも効果の持続性に関するデータは得られておりません。
妊婦へのワクチンの効果については、アブリスボ®の国際共同第Ⅲ相臨床試験において、妊娠24〜36週の妊婦にワクチン接種を行うことにより、重度のRSウイルス関連下気道感染症について、生後90日以内で81.8%、生後180日以内で69.4%予防しました3)。妊娠28〜36週に接種を行なった方が、より有効性がより高い傾向が認められています4)。なお、生後180日以降の有効性は確立していません。
妊婦へのワクチンの効果については、アブリスボ®の国際共同第Ⅲ相臨床試験において、妊娠24〜36週の妊婦にワクチン接種を行うことにより、重度のRSウイルス関連下気道感染症について、生後90日以内で81.8%、生後180日以内で69.4%予防しました3)。妊娠28〜36週に接種を行なった方が、より有効性がより高い傾向が認められています4)。なお、生後180日以降の有効性は確立していません。
どんな人にお勧め?
新生児および乳児におけるRSウイルス感染症の重症化を予防する目的に、妊娠24〜36週(特に妊娠28〜36週)の妊婦への接種。また60歳以上の方で、特にRSウイルス感染症の重症化リスクが高い方は、接種の必要性について担当医とよく相談するよう推奨されています。CDC(米国疾病管理予防センター)では以下の方を推奨の対象としています5)。
・高齢者
・慢性の心臓または肺疾患のある成人
・免疫力が低下している成人
・特定の基礎疾患のある成人
・老人ホームや長期介護施設へ入所している成人
なお、小児のRSウイルス感染の予防としてバリビズマブ(シナジス®︎)やニルセビマブ(ベイフォータス®︎)がありますが、これはワクチンではなく、モノクローナル抗体製剤です。小児のRSウイルス予防についてはこちらをご参照ください。
・高齢者
・慢性の心臓または肺疾患のある成人
・免疫力が低下している成人
・特定の基礎疾患のある成人
・老人ホームや長期介護施設へ入所している成人
なお、小児のRSウイルス感染の予防としてバリビズマブ(シナジス®︎)やニルセビマブ(ベイフォータス®︎)がありますが、これはワクチンではなく、モノクローナル抗体製剤です。小児のRSウイルス予防についてはこちらをご参照ください。
接種スケジュール作成のポイント
短期的な効果を示すデータはありますが、現時点では長期的な効果はまだ不明です、また高額なワクチンのため、十分な説明と同意のうえでワクチン接種を行ってください。
妊婦への接種については、日本産婦人科学会/日本産婦人科医会、日本小児科学会の文書も参考にしてください(参考文献参照)6)7)。
妊婦への接種については、日本産婦人科学会/日本産婦人科医会、日本小児科学会の文書も参考にしてください(参考文献参照)6)7)。
ワクチンの副反応等
臨床試験において、ワクチン接種による一般的な副反応以外に、RSウイルスワクチンに特異的な副反応報告はありませんでした1)2)。
アブリスボ®添付文書によると、百日咳含有ワクチンと同時接種を行った場合、単独接種と比べて、百日咳の防御抗原に対する免疫応答が低下するとの報告があり、注意が必要です4)。
アブリスボ®添付文書によると、百日咳含有ワクチンと同時接種を行った場合、単独接種と比べて、百日咳の防御抗原に対する免疫応答が低下するとの報告があり、注意が必要です4)。
参考文献・サイト
1) Papi A, et al. Respiratory Syncytial Virus Prefusion F Protein Vaccine in Older Adults. N Engl J Med. 2023 Feb 16;388(7):595-608.
2) Walsh EE, et al. Efficacy and Safety of a Bivalent RSV prefusion F vaccine in Older Adults. N Engl J Med. 2023 Apr 20; 388(16): 1465-1477.
3) Kampmann B, et al. Bivalent Prefusion F Vaccine in Pregnancy to Prevent RSV Illness in Infants. N Engl J Med. 2023 Apr 20; 388(16) :1451-1464.
4) アブリスボ®添付文書
5) RSV in Older Adults and Adults with Chronic Medical Conditions. CDC(米国疾病管理予防センター).
6) 日本小児科学会予防接種・感染症対策委員会. RSウイルス母子免疫ワクチンに関する考え方(2024年2月17日).
7) 日本産科婦人科学会・日本産婦人科医会. 妊婦に接種するRSウイルスワクチンについて(2024年5月21日).
2) Walsh EE, et al. Efficacy and Safety of a Bivalent RSV prefusion F vaccine in Older Adults. N Engl J Med. 2023 Apr 20; 388(16): 1465-1477.
3) Kampmann B, et al. Bivalent Prefusion F Vaccine in Pregnancy to Prevent RSV Illness in Infants. N Engl J Med. 2023 Apr 20; 388(16) :1451-1464.
4) アブリスボ®添付文書
5) RSV in Older Adults and Adults with Chronic Medical Conditions. CDC(米国疾病管理予防センター).
6) 日本小児科学会予防接種・感染症対策委員会. RSウイルス母子免疫ワクチンに関する考え方(2024年2月17日).
7) 日本産科婦人科学会・日本産婦人科医会. 妊婦に接種するRSウイルスワクチンについて(2024年5月21日).
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