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病気(VPD)について

ダニ媒介脳炎について

  • 2021-04-07
  • 任意接種
  • 不活化ワクチン
  • 渡航者

ダニ媒介脳炎 Tick-borne Encephalitis (TBE) とは

 ダニ媒介性脳炎は、マダニ科に属する各種のマダニ(Ixodes ricinusやI.persulcatus)によって媒介されるフラビウイルス感染症で、ヒトに急性脳炎をおこします。ダニ媒介性脳炎ウイルス群は14 のウイルス種からなりますが、このうち8 種類がヒトに病気をおこします。ヨーロッパ亜型、シベリア亜型、極東亜型の3亜型に分類されます。

感染経路ダニに刺咬されることで感染するマダニによって媒介される
(感染した山羊や羊等の未殺菌の乳を飲んで感染することもある)
潜伏期7-14日(2‐28日)
周囲に感染させうる期間人から人に感染することはありません
感染症法第4類感染症(直ちに届出が必要)

主な症状は 

ヨーロッパ亜型(中央ヨーロッパダニ媒介脳炎)

 二相性の病状を呈します。第一期は、インフルエンザ様の発熱・頭痛・筋肉痛がが2~4日間あり、解熱後2-3 日間は症状が消え、その後、約3分の1は、髄膜脳炎に進展し(第二期)痙攣・眩暈・知覚異常などの中枢神経系症状が起こります。
 3-23%に麻痺症状。死亡率は1-5%。35-60%に後遺症として感覚障害、平衡感覚障害、感音性難聴などをきたすことがあります1)

極東亜型(ロシア春夏脳炎)

 病状は一相性です。潜伏期の後に頭痛・発熱・悪心・嘔吐が見られ髄膜脳炎に進展します。精神錯乱・昏睡・痙攣および麻痺 などの脳炎症状が出現することもあります。
 致死率は、中央ヨーロッパ型脳炎で1-2%、ロシア春夏脳炎は20%、回復しても数割の方で神経学的後遺症が残ります1)

診断方法は

 血液や髄液からのダニ媒介脳炎ウイルスの分離・同定、ウイルス遺伝子の検出、ダニ媒介脳炎ウイルス特異的抗体の検出をすることで診断します。

治療法は

 特異的な治療方法はありません。海外では、ガンマグロブリン製剤が使用されることがあります。

予防法は

 マダニに咬まれないようにすること、ワクチン接種をすることです。

①マダニに咬まれないようにすること
 沢に沿った斜面や森林の笹原、牧草地に入る場合には、長袖、長ズボンを着用、忌避剤を使用しましょう。野外活動後は入浴し、マダニに刺されていないか確認しましょう。

②ワクチン接種
 日本国内では、北海道において平成5年(1993年)に1例1)、平成28年(2016年)に1例及び平成29年(2017年)に2例、発生が報告されています。流行地に長期滞在する場合や、流行地に居住している場合は、ダニ媒介脳炎ワクチンでの予防を推奨します。

ダニ媒介脳炎ワクチンについてはこちらを参照。

参考サイト

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