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髄膜炎菌感染症について

  • 2024-05-14
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髄膜炎菌性髄膜炎とは

髄膜炎(ずいまくえん)の流行を起こす髄膜炎菌による急性髄膜炎です。人から人へ直接感染します。髄膜炎菌は莢膜多糖体の種類によって少なくとも13種類(A, B, C, D, X, Y, Z, E, W-135, H, I ,K, L)の血清型に分類されています。髄膜炎の原因になるのはA, B, C, Y, W-135が多く、とくにA, B, Cが全体の90%以上を占めます。日本ではYが多いです1)
海外、特にアフリカの髄膜炎ベルト地帯や人が集まる場所、サウジアラビアでのハッジやウムラなどの巡礼者、軍隊、寮生活、ユースのキャンプ、ライブコンサート参加者などがリスクになります。また、補体欠損症患者、無脾症、喫煙、間接喫煙、HIV感染症も感染のリスクになります。
日本では、2013年4月から2023年3月までに274例が報告されています2)。世界では年間30万人の発症者に対して3万人が死に至る致死率の高い病気です。

感染経路飛沫感染・接触感染
潜伏期2-10日
周囲に感染させうる期間保菌者である間(鼻腔に菌が存在する間)
日本において健常成人の0.4-0.8%が保菌者であるとの報告がありますが、集団生活をしている集団ではもっと高いとする報告があります3)4)
学校保健安全法第ニ種(出席停止期間:症状により学校医その他の医師において感染のおそれがないと認められるまで)
感染症法5類感染症
髄膜炎菌による髄膜炎に敗血症も加えた「侵襲性髄膜炎菌感染症」として(全数報告:直ちに届出が必要)

主な症状は

高熱や皮膚や粘膜からの出血、関節炎が起こります。髄膜炎に進展すると頭痛、吐き気、首が固くなる硬直、精神状態の変化が起こります。
劇症型の場合、突然の頭痛、高熱、けいれん、意識障害、DIC(汎発性血管内凝固症候群)を伴い、ショックに陥って死に至ります。
治療しなければ例外なく死に至ります。

診断方法は

血液や髄液の培養検査や、髄液中の細菌抗原の存在の有無を検出するラテックス凝集法を用いた診断キットで診断します。

治療法は

髄膜炎が疑われたら、できるだけ早く抗菌薬投与をおこないます。

予防法は

① ワクチン接種

リスクがある人はワクチン接種をおこないます。とくに集団生活や大勢が集まる場所にいく前にはワクチン接種をおこないます。

髄膜炎菌ワクチンについてはこちらを参照。

② 予防内服

髄膜炎菌性髄膜炎の発症者の家族や寮生活者、保育園、学校などにおける緊密な接触者、適切な飛沫予防策を伴わずに挿管、口から口への人工呼吸、気管吸引を行った医療従事者などが対象になります。暴露後早期に抗菌薬を内服します。

参考サイト

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